4月となり娘達はそれぞれの下宿先へ散っていった。
しかし荷物を忘れたのか、飼い犬の顔を見に来たのか一週間も経たずに帰省してきた。
「明日の日曜日はどこかに連れてって!」
高尾の辺りなら、まだ桜が残っているかもしれない。ということで、高尾山方面に向かう。
しかし、おそらくは観光客で一杯だろう。ならば、北高尾の八王子城跡に行くことにしよう。
あそこには山頂に一本、立派な桜があったはず。
同行者の朝は遅い。こやつを待っていると山登りなんてムリだろうというぐらい遅い。
仕方なく、高尾駅前からはタクシーを使う。
造形大学が移転してしまったために、バスの時刻が不便になってしまったし、手前の霊園で降ろされ、しばらく歩くことになる。
そこで、時間節約のためにタクシーを利用した。
まずは、見学したことのない八王子城跡のガイダンス施設で予備知識を仕込む。
関東には、北条氏と武田、上杉なんぞが争っていて、ここは北条氏の最前線。
入念に築城していたにもかかわらず、織田を継いだ豊臣氏に、たった半日で落とされてしまう。
この時の攻防戦で、1800人以上の戦死者が野ざらしになっていたという。
怖がらせてやろうかと思ったのだけれど、まったく動じる気配がない・・・
ガイダンス施設を出ていよいよ登りにかかる。
同行者は、このまま下宿先に帰るということなので、
昔でいうところのシークレットブーツみたいな高ヒールの運動靴を履いている。
「えっ、マジで山登るの?
城跡だっていうから、草原の中に史跡が建っているのを想像していた」
そんな甘い観光を、父が許すと思うのかね。
崖から突き落として、這い上がるのを待つのだ。
しかし、八王子城跡ぐらいだったら、苦もなく高下駄ならぬ高スニーカーで登っていく。
ここが、激戦地の「金子曲輪」だ。
ところが春の日差しを浴びて、気持ち良い所になってしまっているので、記念写真を何枚も所望されてしまった。
余計なもの写ってないだろうな?
激戦地といえども年月により風化していくのだろう。
お昼ご飯食べても気にならない場所になっていた。
もう少し登ると、八王子神社へのトラバース道になって、景色がいい。
松木曲輪のベンチ
娘はここが気に入ったといって、スマホで写真を撮っている。
頭の上が「桜」なんだけど、半分以上は散っていた。
さあて、本丸に登るとしよう。
狭っ! ここで生活するのはムリだね。
またも降りてきた激戦地の金子曲輪
登山口まで降りたところで、今度は生活地区だった「御主殿」方面に向かう。
こういう石垣はマムシが出やすい。
看板にも「マム_に注意!」と書かれていた。
そりゃ、マムは注意しなくちゃね。などと軽口をたたいていたら、
「ぎゃあ、本当に出たあ!」
これ、ヘビじゃないだろ? 手足が付いてる・・・
間抜けなトカゲさんらしく、穴から出ようとして挟まってしまってもがいている。
穴を広げてやって脱出成功。
もし地獄で苦しんでいたら助けに来てくれたまえ・・・
御主殿は広い。確かに立派な防衛拠点ができそうだ。
こうして、暗くなりがちな戦争遺跡も春うららかな日には楽しいハイキングとなりました。
学校、始まっちゃったから、もうちょくちょくは一緒に行けないな。
単独行の季節が再びやってきた。と思ったんだが・・・犬を置いて行きやがった。
どうすんだよこいつ?
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